ブルー・オーシャン戦略
皆さん、ブルー・オーシャン戦略というものをご存知でしょうか?
これは勝ち負けにこだわらず、ライバルが存在しない場所(これをブルーオーシャンといいます)を見つけることができればそこにはパラダイスが待っている。つまりその場所をみつけて展開しようという戦略のことです。誰も狙っていない場所だからこそ、おいしい市場がそこには存在する。攻めるべきは、そうしたおいしい市場なのであるということなのです。
分かりやすいのは任天堂DSの例です。1995年前後の次世代ゲーム市場戦争を思い出していただきたいと思います。プレステーションやセガサターンが同じ市場、つまりゲームに興味がある人を対象として、シェア争いをしていました。結局プレステーションも本体も最初は3万9800円だったのが、最終的には1万9800円にまで値下げして戦っていました。こうした血みどろの戦いの市場をレッドオーシャンといいます。現在で言えば吉野家と松屋の牛丼価格戦争がまさにそうですね。吉野家はこのレッドオーシャンにはまり、いよいよ赤字となってしまいました。話は任天堂DSに戻ります。任天堂はこの次世代ゲーム機の失敗を繰り返さないよう、ソニーのプレステとは同じ市場で戦わないことを選びました。つまりゲームに興味のない層をターゲットに組み入れ、この市場をブルー・オーシャンとして取り入れようとしました。ゲーム機という本質は変えずに「ゲーム機で脳のトレーニングができる」とか「ゲーム機で英語のトレーニングができる」「ゲーム機を使って自宅でカロリーを消費できる」という新しい商品をつくりました。今のWiiの成功をみれば明らかですよね。本当においしいところは、普通に考えたときに「ここはだめだろう」と誰もが思う場所に存在するということです。
それでは一般の企業がブルー・オーシャンを見つけるためにはどうすればよいのでしょうか?
W・チャン・キム/レネ・モボルニュの共著 「ブルー・オーシャン戦略」から引用したポイントを申しあげますと、
1)今の市場の境界を引き直す:代替産業に学んだり業界内の他のグループから学んだりして、既存の枠組みにとらわれることなく、ブルーオーシャンを創造すること
2)戦略キャンパスを導き出す:自社の競争要因としてどんな価値があるのか?味、価格、品質、情報、健康志向など何を価値とするかを考え、それを買い手がどの程度のレベルであれば享受してくれるのかを検討して、提供価値つまり何を切り捨て、どんな価値を中心にその市場を攻めるのか決めることです。
そしてその際の考え方のポイントは4つのアクションにあります
4つのアクションとは、
①業界の常識として製品やサービスに備わっている要素の内、取り除くべきものは何か、
②業界標準と比べ減らすべき要素は何か、
③業界標準と比べ増やすべき要素は何か、
④業界でこれまで提供されていない今後付け加える要素は何か
を検討することです。
大事なことは買い手つまりお客様が求めるものを主体に、これまでの常識の視点や発想を変えれば、新たな何かが見えてくるということでしょうか。
優れたブルー・オーシャン戦略の商品・サービスは「メリハリ」「高い独自性」「訴求力のあるキャッチフレーズ」と大事といいます。
皆さん、自社コンセプト、ターゲットもう一度明確に考えて、ブルー・オーシャンを見つけてみませんか!!